SAE J429 —— インチ系のグレード 2・5・8 と、メートル系区分との位置関係
SAE J429 のグレード 2・5・8 が要求する内容。径ごとの保証荷重・降伏・引張・硬さ、頭部の放射状マーク、対になるナットと座金の規格、図面への書き方。
| 関連サービス | 熱処理 |
|---|---|
| 機械的性質 | SAE J429 |
| 別の表記 | SAE J429 (current revision), SAE J995 (nuts), ASTM A307 / A449 / A354, ASTM F3125 (formerly A325 / A490), ASTM F606 (test methods), ISO 898-1 (metric counterpart) |
| 更新 |
適用範囲 — および対象外の事項
SAE J429 はインチ系おねじ部品(ボルト・ねじ・植込みボルト)の機械的および材料要求を、グレード 2、5、5.2、8、8.2 として定めます。要求は径の範囲によって変わります。保証荷重、降伏強さ、引張強さ、心部硬さ、頭部の刻印を規定します。ナット(SAE J995)、座金(ASTM F436)、構造用ボルト接合(ASTM F3125、旧 A325・A490)、あらゆる皮膜、メートル系締結部品は対象外です。
規格は著作権のある文書です。当社は範囲・意図・実務上の適用を自らの言葉で説明しています。最新版は ISO、ASTM、DIN または各国の規格機関から入手してください。
生産で実際に効いてくる条項
- 1要求はグレードだけでなく径で変わります。グレード 5 は径が 1 in を超えると最小引張が 120 ksi から 105 ksi に下がります。全寸法に同じ数値を書いた成績書は一手順飛ばしています。
- 2頭部の刻印は仕様の一部です。放射状の線がなければグレード 2、3 本ならグレード 5、6 本ならグレード 8。書類がファイルされた後に現場でグレードが生き残る方法が刻印です。
- 3継手が設計の拠りどころにするのは引張ではなく保証荷重です。測定できる永久ひずみを生じずに耐えるべき荷重であり、熱処理側が当てるべき的でもあります。
- 4グレード 8 はおよそ 33–39 HRC で、電気めっきが内部水素脆化を工程に持ち込むしきい値より上です。ベーキング要求は前提にせず、明記する必要があります。
- 5グレード 5.2 と 8.2 は低炭素ボロン鋼のマルテンサイトで同じ強さに到達します。5 や 8 が指定された場面で自動的に代替できるわけではなく、高温使用では差が出ます。
- 6インチ系とメートル系は書類上まったく別の体系です。グレード 8 と区分 10.9 は強さこそ近いものの、文書、試験、硬さ範囲、刻印の規則がすべて異なります。
参照表
画面が狭い場合は表を横にスクロールしてください。
SAE グレード → 寸法範囲 → 強さ → 硬さ
| グレード | 呼び寸法 (インチ) | 保証荷重 (ksi) | 降伏 最小 (ksi) | 引張 最小 (ksi) | 心部硬さ |
|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1/4 – 3/4 | 55 | 57 | 74 | B80–B100 |
| 2 | over 3/4 – 1½ | 33 | 36 | 60 | B70–B100 |
| 5 | 1/4 – 1 | 85 | 92 | 120 | C25–C34 |
| 5 | over 1 – 1½ | 74 | 81 | 105 | C19–C30 |
| 8 | 1/4 – 1½ | 120 | 130 | 150 | C33–C39 |
要求はグレードだけでなく径によって変わります。実際に発注する寸法の行を読み、有効版で確認してください。
J429 と組で使うインチ系の規格
| 要求事項 | 規格 |
|---|---|
| おねじ部品の強さ —— ボルト・ねじ・植込みボルト | SAE J429 |
| ナットの強さ | SAE J995 |
| 焼入れ座金 | ASTM F436 |
| 構造用高力ボルト接合 | ASTM F3125 (formerly A325 / A490) |
| 機械試験方法 | ASTM F606 |
| 一般の低炭素ボルト | ASTM A307 |
J429 が扱うのはおねじ部品だけです。インチ系継手の他の行にはそれぞれ別の規格があります。
本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。
図面・注文書に書くべきこと
- グレードとインチねじの呼びを完全に書く。UNC か UNF か、はめあい等級まで含めて(例:1/2-13 UNC-2A)。
- そのグレードを要求する径の範囲を書き、実際に発注する寸法に対応する行が記録に残るようにする。
- ロット試験の内容(保証荷重、くさび引張、硬さ)と、ASTM F606 の方法によるかどうかを書く。
- ナットと座金の規格を別に書く。ナットは SAE J995 のグレード、焼入れ座金は ASTM F436。
- 皮膜は独立した行にする(ASTM B633、締結部品なら ASTM F1941)。ベーキングの要否と、温度・保持時間・めっき後の最大待ち時間も書く。
引用が曖昧なときに起きること
- 寸法を書かずに「グレード 8」とだけ発注する。表は径で変わり、対になるナットはさらに別の文書です。
- 強さが近いという理由でメートル系 10.9 をインチ系グレード 8 の代わりにする。ねじが違い仕様も違うので、代替は書類に残る技術判断でなければなりません。
- グレード 8 に厚い亜鉛めっきを指定しながら、ベーキングの条項を書かない。その硬さ帯こそがリスクの住処です。
- 頭部の刻印を成績書扱いする。刻印は意図を述べるもので、保証荷重と硬さの記録が証拠です。
よくあるご質問
グレード 5 とグレード 8 の違いは何ですか。+
グレード 5 は焼入焼戻しした中炭素鋼で、径 1 in までは最小引張 120 ksi、硬さはおよそ 25–34 HRC。グレード 8 は中炭素合金鋼で最小引張 150 ksi、保証荷重 120 ksi、硬さはおよそ 33–39 HRC。頭部の放射状マークはグレード 8 が 6 本、グレード 5 が 3 本です。
SAE グレード 8 は ISO 区分 10.9 と同じですか。+
強さは近いですが、仕様としては同等ではありません。グレード 8 は最小引張がおよそ 150 ksi(≈1 035 MPa)、10.9 は 1 040 MPa ですが、二つの文書は試験方法も刻印規則もねじ体系も異なります。図面が指定したものを納めてください。
インチ系の締結部品も熱処理・めっきできますか。+
できます。炉もめっき槽もねじがインチかメートルかを気にしません。変わるのは書類です。図面が SAE グレード、径の範囲、試験を明記する必要があり、グレード 8 ならベーキング要求を時間の枠とともに書く必要があります。
本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。
関連規格
本リファレンス内の他の規格
図面をお送りください。本規格と突き合わせて確認します
現状の図面または仕様の記載、強度区分やめっき要求、ねじ寸法と公差域、可能であれば実物をお送りください。記載どおりに加工できる項目、そのねじでは計算上成立しない項目、そして要求が見積・検査・説明可能になるために追記が必要な項目をお伝えします。
お見積り依頼には 24 時間以内に返信します。