DIN 50979 —— 亜鉛および亜鉛合金めっきと Cr(VI) フリー化成処理のドイツ式記号体系
DIN 50979 のめっき記号の組立て方、各欄が何を決めるか、An・Cn・Fn の違い、T0 と T2 の意味、そして ISO 19598・ISO 4042 との関係。
| 関連サービス | 亜鉛めっき Cr3+ |
|---|---|
| めっき・皮膜 | DIN 50979 |
| 別の表記 | DIN 50979:2009 and later, ISO 19598 (ISO counterpart), DIN EN ISO 4042, DIN 267-9 / DIN 267 Teil 9 (superseded predecessor) |
| 更新 |
適用範囲 — および対象外の事項
DIN 50979 は鉄鋼素地への電気亜鉛めっきおよび亜鉛合金めっきに六価クロムを含まない化成処理を組み合わせたものを扱いますが、何よりもまず「記号体系」です。素地、めっき金属、厚さ、化成処理、シールを一つの文字列で確定させる書き方を定めています。あわせて、各系に中性塩水噴霧の最小時間で表した耐食要求を対応づけています。機械的性質は規定せず、溶融亜鉛めっき(ISO 10684)や亜鉛フレーク(ISO 10683)は対象外で、実環境での寿命を保証するものでもありません。
規格は著作権のある文書です。当社は範囲・意図・実務上の適用を自らの言葉で説明しています。最新版は ISO、ASTM、DIN または各国の規格機関から入手してください。
生産で実際に効いてくる条項
- 1記号は左から右へ、素地 // めっき金属と厚さ // 化成処理 // シール と読みます。Fe//Zn8//An//T2 は、鋼素地、最小局部膜厚 8 µm の亜鉛、A タイプの化成処理、シールあり、という意味です。
- 2厚さの数値は重要表面における「最小局部」膜厚です。浴の平均でも数点の平均でもありません。どこが重要表面かを決めるのは図面の役割であって、めっき側の裁量ではありません。
- 3化成処理の記号は皮膜を表すもので、浴の色ではありません。An は薄い透明から淡青色の皮膜、Cn はより厚い干渉色の皮膜、Fn は黒色皮膜。「n」は Cr(VI) フリーの化学系を示し、この規格の存在理由そのものです。
- 4T0 はシールなし、T2 はシールまたは上層あり。シールは耐食性だけでなく摩擦も変えるので、締付けトルクと軸力の議論にも属します。
- 5亜鉛合金系(ZnFe、ZnNi)は同じ文法でめっき金属の欄だけが変わります。見慣れない記号でも欄ごとに読み解けるのはそのためです。
- 6規格は各系に白錆・赤錆までの最小塩水噴霧時間を対応づけています。それは定義された試験の中での合否値であって、実使用年数の予測ではありません。有効版から読み取り、試験要求として扱ってください。
参照表
画面が狭い場合は表を横にスクロールしてください。
記号を欄ごとに読む
| 記号の欄 | 使われる記号 |
|---|---|
| 素地 | Fe |
| めっき金属と最小局部膜厚 (µm) | Zn8 · ZnFe8 · ZnNi8 |
| 化成処理(Cr(VI) フリー) | An · Cn · Fn |
| シール / 上層 | T0 · T2 |
例:Fe//Zn8//An//T2 —— 鋼素地、最小局部膜厚 8 µm の亜鉛、A タイプの化成処理、シールあり。四つの欄は四つの別々の判断です。
化成処理の記号と皮膜の種類
| 皮膜 | 記号 |
|---|---|
| 薄い、透明から淡青色の皮膜 | An |
| やや厚い、干渉色の皮膜 | Cn |
| 黒色皮膜 | Fn |
記号が表すのは皮膜であって、浴の色ではありません。「n」は Cr(VI) フリーの化学系を示し、この規格の要点そのものです。各系には白錆・赤錆までの最小塩水噴霧時間が規格側で対応づけられているので、有効版で読み取ってください。
本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。
図面・注文書に書くべきこと
- 記号を省略せずに書き、同じ要求を言葉でも書く。めっき金属、最小局部膜厚(µm)、化成処理の種類、シールの有無。
- どこが重要表面か、ねじ部品ではどこで膜厚を測るかを書く。
- 耐食要求を試験規格と判定基準(白錆か赤錆か)とともに書く。この二つは別々の合否事象です。
- 該当する強度区分にベーキングが必要かどうかを、温度・保持時間・めっき後の最大待ち時間とともに書く。
- 摩擦が重要なら摩擦係数の範囲と試験方法を書く。T2 のシールはその値を動かします。
引用が曖昧なときに起きること
- 六価クロム系の化成処理記号が残った古い図面から記号をそのまま写し、Cr(VI) フリーの工場に同一の再現を求める。化学系が変わった以上、記号も変わらなければなりません。
- 記号ではなく色を読む。透明・青・干渉色は外観の説明で、An・Cn・Fn は皮膜とその要求の説明です。
- ねじが物理的に受け入れられない厚さを指定し、ゲージの段階で気づく。上限を決めるのはねじの余裕であって、めっき規格ではありません。
- 規格の塩水噴霧時間を現場寿命の保証として扱う。定義された槽の中での実験室的な合否基準にすぎません。
よくあるご質問
Fe//Zn8//An//T2 はどう読みますか。+
鋼素地、電気亜鉛めっきで最小局部膜厚 8 µm、六価クロムを含まない A タイプ(透明系)の化成処理、そしてシールあり。四つの欄は四つの別々の判断であり、それぞれ独立に議論できます。
DIN 50979 は ISO 19598 や ISO 4042 とどう関係しますか。+
同じ領域を別の方向から覆っています。ISO 19598 は亜鉛および亜鉛合金の Cr(VI) フリー化成処理めっきに関する ISO の記号体系、ISO 4042 はねじのはめあいと水素脆性除去まで扱う締結部品専用の文書です。図面はどれか一つを指定し、それで通してください。
DIN 50979 の記号どおりにめっきできますか。+
当社は一般的な色の三価化成処理付き亜鉛めっきを行い、膜厚測定と中性塩水噴霧は自社試験室で実施しています。見積れるのは記号の背後にある書かれた要求です。めっき金属、最小局部膜厚、化成処理の種類、シール、耐食判定基準。記号を図面とともにお送りいただければ、部品形状に対して何がどこまで可能か一行ずつ回答します。
本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。
関連規格
本リファレンス内の他の規格
図面をお送りください。本規格と突き合わせて確認します
現状の図面または仕様の記載、強度区分やめっき要求、ねじ寸法と公差域、可能であれば実物をお送りください。記載どおりに加工できる項目、そのねじでは計算上成立しない項目、そして要求が見積・検査・説明可能になるために追記が必要な項目をお伝えします。
お見積り依頼には 24 時間以内に返信します。