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規格リファレンス

ISO 965 —— メートルねじ公差 6H・6g・6e・6G と、めっきの余地がどこから来るか

ISO 965 の公差域位置と等級の仕組み、ピッチごとの基礎寸法許容差がめっき厚の上限をどう決めるか、そしてめっき後もゲージが通るための図面表記。

ISO 965
関連サービス亜鉛めっき Cr3+
試験・測定ISO 965
別の表記ISO 965-1 (principles and basic data), ISO 965-2 (limits of size, general purpose), ISO 965-3 (constructional threads), ISO 261 / ISO 262 (thread series), JIS B 0209, มอก. 339
更新

適用範囲 — および対象外の事項

ISO 965 は ISO 一般用メートルねじの公差体系です。第 1 部が原則と基礎寸法許容差、第 2 部が一般用おねじ・めねじの寸法許容限界、第 3 部が構造用ねじの許容差を定めます。公差域クラスは等級の数字と位置の記号の組合せで、ナットなら 6H、ボルトなら 6g。記号が余裕を、数字が公差域の幅を決めます。ねじ山形状(ISO 68-1)、径とピッチの系列(ISO 261・ISO 262)、皮膜厚さ(ISO 4042)、機械的性質はいずれも対象外です。

規格は著作権のある文書です。当社は範囲・意図・実務上の適用を自らの言葉で説明しています。最新版は ISO、ASTM、DIN または各国の規格機関から入手してください。

生産で実際に効いてくる条項

  • 1大文字はめねじで、H は余裕ゼロ、G は正の余裕。小文字はおねじで、h は余裕ゼロ、g・f・e の順にねじ全体が小さくなります。
  • 2余裕とは基礎寸法許容差のことで、径ではなく「ピッチ」で決まります。ピッチ 0.8 mm では位置 g がおよそ 24 µm、ピッチ 1.5 mm ではおよそ 32 µm。記号が同じでも余地は違います。
  • 3ねじ公差は加工したまま、めっき前のねじを表します。図面に別段の記載がなければ、めっき後の部品もそのクラスの最大実体寸法を守ることが期待されます。これが「通り側ゲージが入らない」の出どころです。
  • 4電気めっきは皮膜が各ねじ山の両フランクに載るため、有効径を皮膜厚さのおよそ 4 倍だけ太らせます。したがって実用上の厚さ上限は、余裕を 4 で割った程度になります。
  • 5皮膜が入りきらないときの誠実な対処は三つです。めっき前におねじを 6e か 6f で作る、ナットを 6G でタップする、指定厚さを下げる。薄くめっきしてゲージが通るのを祈るのはその中に含まれません。
  • 6公差域クラスは対です。ボルトに 6g とだけ書いてナットに触れなければ、はめあいは未定義のままです。一般用途の標準的な組合せは 6H/6g で、そう書くべきです。

参照表

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ピッチ別の基礎寸法許容差 —— 各公差域位置がどれだけ余裕を残すか

ピッチ別の基礎寸法許容差 —— 各公差域位置がどれだけ余裕を残すか
ピッチ (mm)位置 g / G (µm)位置 f (µm)位置 e (µm)
0.5203650
0.7223856
0.8243860
1.0264060
1.25284263
1.5324567
1.75344871
2.0385271
2.5425880
3.0486385

位置 H(めねじ)と h(おねじ)の基礎寸法許容差はゼロです。余裕は径ではなくピッチで決まるため、M20 × 1.5 の細目は M10 × 1.5 と同じ余裕しかありません。参考値ですので、実際のピッチについて有効版で確認してください。

公差域クラスの組合せと使いどころ

公差域クラスの組合せと使いどころ
状況めねじ(ナット)おねじ(ボルト)
一般用途、無処理または薄い皮膜6H6g
厚い皮膜のためにおねじを小さめに製作6H6e
おねじに中程度の余裕をとる6H6f
ナット側で余裕をとる —— 処理前に大きめにタップ6G6g
きつい組合せ、余裕なし —— 精密組立4H5H4h
ゆるい組合せ —— 溶融亜鉛めっきなど厚い皮膜7H8g

公差域クラスは対で意味を持ちます。ボルト側だけ書いても、はめあいは決まりません。

本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。

図面・注文書に書くべきこと

  • ねじの呼びとクラスを両側に完全に書く。ボルトは M10 × 1.5 - 6g、ナットは M10 × 1.5 - 6H。
  • 公差域クラスがめっき前か後のどちらに適用されるかを文章で書く。この一行でゲージ論争のほとんどが消えます。
  • 皮膜を指定するなら、それを収めるために選んだめっき前クラス(6e または 6f)と対応するゲージセットを書く。
  • どのゲージが判定基準か(指定クラスの通り側・止まり側のリングゲージとプラグゲージ)と、マスターを誰が保管するかを書く。
  • めっき後にタップするナットならその旨と、タップのクラスを書く。ねじフランクには皮膜がまったく載らないためです。

引用が曖昧なときに起きること

  • そのピッチの余裕に物理的に入らない皮膜厚さを 6g と一緒に指定し、ゲージ不通をめっきの不良として扱う。
  • 径が大きければ余地も大きいと考える。余裕はピッチで決まるので、M20 × 1.5 の細目は M10 × 1.5 とまったく同じ g の余裕しかありません。
  • めっき前用のゲージでめっき後の部品を測る、あるいはその逆をして、差を工程不良として報告する。
  • 皮膜を入れるためにおねじを黙って 6e に変え、組立側がゆるいはめあいを見つけて「アンダーサイズ」と判定する。

よくあるご質問

6g とは結局どういう意味ですか。+

6 は公差等級、つまり公差域の幅です。小文字の g は位置で、公差域全体が基準寸法よりどれだけ下にあるか、すなわち余裕を表します。合わせると「おねじ、中程度の幅、わずかなすきま付き」という意味になります。

ねじ公差はめっき前ですか、めっき後ですか。+

既定ではクラスはめっき前のねじを表し、めっき後の部品もそのクラスの最大実体寸法を守る必要があります。図面が別のこと(たとえばめっき後にクラスを検証する)を意図するなら、それは書かなければなりません。二つの読みは実際に別の数字だからです。

M6 のボルトが亜鉛めっき後に通り側ゲージを通りません。何が起きていますか。+

ほぼ確実に算術の問題です。M6 並目はピッチ 1.0 mm、g の余裕はおよそ 26 µm で、皮膜厚さの 4 倍がその中に収まる必要があるため、実用上の上限はおよそ 6.5 µm です。図面が 6g のねじに 12 µm を要求していたなら、どのめっき工場も両方の行を満たせません。ねじを 6e で作るか、厚さを下げるかです。

本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。

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図面をお送りください。本規格と突き合わせて確認します

現状の図面または仕様の記載、強度区分やめっき要求、ねじ寸法と公差域、可能であれば実物をお送りください。記載どおりに加工できる項目、そのねじでは計算上成立しない項目、そして要求が見積・検査・説明可能になるために追記が必要な項目をお伝えします。

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