JIS B 1051 —— 炭素鋼・合金鋼ボルトの強度区分を定める日本の規格
JIS B 1051 が要求する内容、ISO 898-1 との対応、旧図面の 4T / 8T / 10T の意味、そしてどの要求がどの JIS 番号にあるか。
| 関連サービス | 熱処理 |
|---|---|
| 機械的性質 | JIS B 1051 |
| 別の表記 | JIS B 1051 (強度区分), JIS B 1052-2 (nuts), JIS B 1054-1 (stainless), JIS B 1044 (electroplated coatings), JIS H 0404 (plating symbols), ISO 898-1 (source document) |
| 更新 |
適用範囲 — および対象外の事項
JIS B 1051 は、炭素鋼および合金鋼製のボルト・ねじ・植込みボルトの機械的性質を定める日本工業規格です。日本の図面が「強度区分 8.8」と書くとき指しているのがこの規格です。ISO 898-1 と技術的に整合しており、区分の算術、上限を伴う硬さの範囲、最低焼戻し温度という論理は同じです。ナット(JIS B 1052-2)、ステンレス締結部品(JIS B 1054)、表面処理(締結部品の電気めっきは JIS B 1044、図面に書くめっき記号は JIS H 0404)、ねじ公差(JIS B 0209)、部品の寸法規格は対象外です。
規格は著作権のある文書です。当社は範囲・意図・実務上の適用を自らの言葉で説明しています。最新版は ISO、ASTM、DIN または各国の規格機関から入手してください。
生産で実際に効いてくる条項
- 1JIS B 1051 と ISO 898-1 は整合した二つの文書であり、別々の要求ではありません。一方で区分 10.9 のものは他方でも 10.9 です。ただし版と合否条項は別々に管理されるので、どちらが支配するかは図面が示す必要があります。
- 2日本の図面は区分を「強度区分」と書き、日本の購買は ISO 番号ではなく JIS 番号で検索します。ISO 番号だけを書いた成績書は、受入検査で出典のないロットのように見えることがあります。
- 3古い図面には T 系列が残っています。4T、6T、8T、10T の数字は 10 kgf/mm² を単位とする呼び引張強さで、8T はおよそ 800 N/mm² です。T 区分には降伏比の情報がないため、現行区分と一対一では換算できません。
- 4硬さ要求には ISO 898-1 と同じく上限があります。「念のため」硬めに仕上げたロットは区分から外れ、水素脆化の領域から遠ざかるどころか近づきます。
- 5表面処理は別の文書です。締結部品の電気めっきは JIS B 1044 が扱い、図面に実際に書かれる記号(例:Ep-Fe/Zn 8/CM2)は JIS H 0404 に由来し、厚さまで決めています。
- 6日本の客先が引用する塩水噴霧試験は JIS Z 2371 です。ISO 9227 と同じく試験槽と溶液を定めるもので、あなたの皮膜の合格時間を定めるものではありません。
参照表
画面が狭い場合は表を横にスクロールしてください。
どの JIS 番号がどの要求を扱うか
| 要求事項 | JIS 規格 | 対応する ISO 規格 |
|---|---|---|
| 機械的性質 —— ボルト・ねじ・植込みボルト | JIS B 1051 | ISO 898-1 |
| 機械的性質 —— ナット | JIS B 1052-2 | ISO 898-2 |
| ステンレス締結部品の性質 | JIS B 1054-1 | ISO 3506-1 |
| メートルねじの公差 | JIS B 0209 | ISO 965 |
| 締結部品の電気めっき | JIS B 1044 | ISO 4042 |
| 図面に書くめっき記号 | JIS H 0404 | — |
| 中性塩水噴霧試験 | JIS Z 2371 | ISO 9227 (NSS) |
| ビッカース / ロックウェル硬さ | JIS Z 2244 / JIS Z 2245 | ISO 6507 / ISO 6508 |
この系統の JIS は ISO と技術的に整合していますが、発行も改正も別々です。図面が引用した番号を証明書にも書いてください。
旧図面に残る T 系列の強度区分
| 旧区分 | 呼び引張強さ Rm (N/mm²) |
|---|---|
| 4T | ≈ 400 |
| 5T | ≈ 500 |
| 6T | ≈ 600 |
| 7T | ≈ 700 |
| 8T | ≈ 800 |
| 10T | ≈ 1000 |
| 11T | ≈ 1100 |
| 12T | ≈ 1200 |
数字は 10 kgf/mm² を単位とする呼び引張強さです。T 区分には降伏比の情報が含まれないため、現行の強度区分と一対一では対応しません。置き換える区分は書面で合意してください。
本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。
図面・注文書に書くべきこと
- 支配文書と区分をそろえて書く。「JIS B 1051 強度区分 10.9」とし、ねじの呼びとピッチを添えます。
- ロットごとの合否試験と、実物締結部品か機械加工試験片かを書く。
- 表面処理は独立した行にし、JIS H 0404 の記号を省略せずに書き、ベーキングの要否と時間の枠を明記する。
- 成績書を和文・英文・併記のどれで発行するか、また ISO 番号ではなく JIS 番号を引用する必要があるかを書く。
- 古い図面で T 区分が残っている場合は、置き換える現行区分を発注前に書面で合意する。
引用が曖昧なときに起きること
- 8T を「8.8」と読む。呼び引張強さは近くても、二つの数字が降伏について述べていることは同じではありません。
- 強度区分を硬さ仕様として扱う。強度の区分に硬さの範囲が付随しているだけで、その範囲には下限だけでなく上限もあります。
- 図面に JIS のめっき記号を書き、注記に別の膜厚を書く。記号がすでに厚さを決めているため、二行が互いに矛盾します。
- JIS を引用した部品なら ISO を引用する客先監査に自動的に通ると考える。技術内容は一致しますが、書類上の引用は自分で更新されません。
よくあるご質問
JIS B 1051 は ISO 898-1 と同じですか。+
整合しています。区分体系も算術も、硬さに上限があるという論理も同じです。ただし別々に発行され、それぞれの版を持つ二つの文書なので、成績書は図面が引用したほうを引用してください。
古い図面の 8T とは何ですか。+
区分制度以前の日本の等級で、数字は 10 kgf/mm² を単位とする呼び引張強さです。8T はおよそ 800 N/mm² になります。降伏比の情報を持たないため、8.8 への置換えは表を引く作業ではなく、合意して記録すべき判断です。
JIS 番号で対応してもらえますか。+
図面が示す区分と合否基準に従って処理し、成績書はお客様が引用した文書を引用します。当社が保有しているのは ISO 9001:2015 です。これは品質マネジメントの認証であり、いかなる JIS 文書に対する製品認証でもありません。
本ページの数値は、部品・皮膜システム・適用仕様に依存する代表的な業界値であり、保証値ではありません。必ず有効版と客先図面で確認してください。本ページはそのいずれにも代わりません。
関連規格
本リファレンス内の他の規格
図面をお送りください。本規格と突き合わせて確認します
現状の図面または仕様の記載、強度区分やめっき要求、ねじ寸法と公差域、可能であれば実物をお送りください。記載どおりに加工できる項目、そのねじでは計算上成立しない項目、そして要求が見積・検査・説明可能になるために追記が必要な項目をお伝えします。
お見積り依頼には 24 時間以内に返信します。