SUJ2(100Cr6 / AISI 52100)— 軸受鋼の焼入れ、残留オーステナイト、寸法安定性
ピンや転動体に対する SUJ2 の焼入れと低温焼戻し、残留オーステナイトが硬さではなく寸法の問題である理由、この部品に適した防錆。
材質データ
| JIS 記号 | SUJ2 |
|---|---|
| 相当材 | AISI 52100 / DIN 100Cr6 |
| 炭素量 (%) | 0.95–1.10 |
| 鋼種分類 | 軸受鋼 |
| 熱処理ルート | 焼入れ・焼戻し |
| 代表的な表面硬さ (HRC) | 60–64 HRC |
| 実使用で指定される硬さ (HRC) | 58–64 HRC |
| 熱処理で硬化できるか | 可 |
硬さの数値は当社が扱う小物部品における代表的な業界範囲であり、部品形状、断面寸法、焼入れ方法、適用規格によって変わります。保証値ではなく、お客様の図面や規格に代わるものでもありません。
最終確認:
どんな鋼か
SUJ2 は高炭素クロム軸受鋼です。引張強さではなく、接触荷重下での硬さ、耐摩耗性、寸法安定性のために選ばれ、当社の仕事ではピン、ころ、小型精密部品として現れます。機械加工は通常、球状化焼なまし材の状態で行います。焼入れ後の材料は切削向きではありません。
熱処理の方法
狭いオーステナイト化温度域から焼入れし、その後、部品の存在理由である硬さを保つために低温で焼き戻します。この窓が狭いことが要点で、低すぎれば炭化物が固溶せず、高すぎれば炭素が溶けすぎて残留オーステナイトが増えます。経時の寸法安定性が指定される場合は、焼戻し前のサブゼロ処理が定番の対策です。
めっきと水素脆性
この種の部品はめっきより油で防錆するのが普通で、理由は冶金だけでなく機能にもあります。運動面やはめあい面に皮膜が付けばはめあいが変わります。表面処理が指定される場合、部品は ISO 4042 のしきい値以上であり、電気めっき後は速やかなベーキングが必要です。
電気めっき後にベーキングが必要
ISO 4042 は、電気めっきした締結部品について強度区分 10.9 以上、または約 390 HV(≈ 40 HRC)以上でベーキング(水素除去)を求めています。顧客仕様がより低いしきい値を定める例も多く、判断するのは図面であって本ページではありません。
水素脆性除去ベーキング計画ツール代表的な ISO 898-1 強度区分
選ぶべき場面
ピン、ころ、小型精密部品など、表面硬さ、耐摩耗性、接触応力下の寸法安定性が機能を左右する場合に選びます。
選ぶべきでない場面
ねじ部品、衝撃や曲げを受ける部品には選ばず、耐食材の代わりにも使わないでください。耐食性はほぼなく、切欠きにも耐えません。
この材質で起きやすい不具合
よくあるご質問
残留オーステナイトは SUJ2 部品に何をしますか。+
軟らかく不安定で、時間の経過や荷重により変態し、寸法が変わります。はめあいのピンでは、硬さ不合格ではなく数か月後の寸法クレームとして現れます。安定性が指定されているなら、熱処理サイクルの中で対処する必要があります。
SUJ2 にめっきはできますか。+
できますが、まず理由を確認してください。皮膜は運動面のはめあいを変え、この硬さでは ISO 4042 のしきい値以上なので電気めっき後のベーキングが必要になります。油やリン酸塩+油のほうが妥当な場合が多いです。