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焼入れできる鋼種と到達硬さ

鋼種を選ぶと、適した熱処理・現実的な到達硬さ・発注時に指定すべき項目がわかります — 毎日処理している小物部品の実績に基づく数値です。

S45C

AISI 1045 / DIN C45炭素鋼 · C 0.42–0.48%
推奨熱処理
焼入れ焼戻し(調質)
焼入れ後表面硬さ
50–58 HRC
実用硬さの目安
40–55 HRC

中強度のボルト・ナット、ピン、小軸、一般機械部品

タイで最も一般的な焼入れ用鋼。焼戻し温度により実用硬さを広い範囲で調整できます。

材質が不明、または発注前に硬さ仕様を確認したい場合は? 図面を無料でチェックします — 24 時間以内に返信。

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鋼がどこまで硬くなるかを決める要因

鋼種によって焼入れへの応答は大きく異なります。炭素量が硬さの上限を決め(多いほど硬くなる)、クロム・モリブデン・ボロンなどの合金元素が焼入れ性(硬化深さ)を高めます。炭素量が約 0.3% 未満の鋼は直接焼入れしてもほとんど硬化せず、浸炭で表面に炭素を添加してから焼入れするのが標準です。

「焼入れ直後の硬さ」と「実用硬さ」は同じ値ではありません。焼入れ直後が最も硬い一方で脆いため、焼戻しで硬さの一部を靭性と引き換えます。表の「実用硬さの目安」は、図面で実際に指定される範囲です。

本ページの数値は焼きが通りやすい小物部品(ねじ・ナット・ボルト・ばね・ピン)の代表値です。実際の結果は断面寸法・焼入れ剤・材料成分にも依存します — 図面をお送りいただければ、着手前に仕様を確認いたします。

鋼種別 硬さ一覧表(13 鋼種)

小物部品(ねじ・ナット・ボルト・ばね・ピン)を推奨熱処理した場合の代表的な硬さ範囲です。

鋼種炭素量 (%)推奨熱処理焼入れ後表面硬さ (HRC)実用硬さの目安 (HRC)主な用途
S20CAISI 1020 / DIN C220.18–0.23浸炭焼入れ(表面硬化)55–6255–60タッピンねじ・小ねじ・リベットなど、靭性のある芯部と耐摩耗表面が必要な部品
S45CAISI 1045 / DIN C450.42–0.48焼入れ焼戻し(調質)50–5840–55中強度のボルト・ナット、ピン、小軸、一般機械部品
SCM435AISI 4135 / DIN 34CrMo40.33–0.38焼入れ焼戻し(調質)48–5533–44強度区分 10.9 の高力ボルト、スタッド、荷重を受けるねじ
SCM440AISI 4140 / DIN 42CrMo40.38–0.43焼入れ焼戻し(調質)50–5828–48強度区分 12.9 のボルト、高荷重ピン、トルク伝達部品
SCr440AISI 5140 / DIN 41Cr40.38–0.43焼入れ焼戻し(調質)50–5728–45荷重を受けるボルト・ピン、小型自動車部品
SWCH10B21AISI 10B210.18–0.23 + B焼入れ焼戻し(調質)40–4828–40冷間圧造のタッピンねじ、強度区分 8.8〜10.9 のボルト
SWCH10B33AISI 10B330.30–0.36 + B焼入れ焼戻し(調質)45–5232–42強度区分 10.9 のボルト、ホイールナット、冷間圧造の高強度ねじ
SUP9AISI 5155 / DIN 55Cr30.52–0.60焼入れ焼戻し(調質) / オーステンパー50–5840–50リーフスプリング、コイルばね、ばね座金、自動車ばね部品
SK85 (SK5)AISI 1084–1086 / DIN C850.80–0.90焼入れ焼戻し(調質) / オーステンパー58–6445–60板ばね、クリップ、ばね座金、小型刃物
SUJ2AISI 52100 / DIN 100Cr60.95–1.10焼入れ焼戻し(調質)60–6458–64小型軸受、ころ、焼入れピン、ゲージピン
SKS3AISI O1 (近) / DIN 100MnCrW40.90–1.00焼入れ焼戻し(調質)58–6356–62小型ポンチ、ダイス、ゲージ、小型切削工具
SUS420J2AISI 420 / DIN X30Cr130.26–0.40焼入れ焼戻し(調質)48–5545–52硬さが必要なステンレス部品:特殊ねじ、小型刃物、小型弁棒
SUS304AISI 304 / DIN X5CrNi18-10≤ 0.08熱処理では硬化不可防錆重視で硬さを問わない一般ステンレスのナット・ねじ・座金

表の数値は薄断面の小物部品における代表的な範囲で、JIS 規格と当社の生産実績に基づきます。実際の硬さは断面寸法・焼入れ剤・焼戻し温度・材料ロットの実成分に依存します — 目安としてご利用ください(保証値ではありません)。

鋼種と焼入れについてよくある質問

SUS304 は焼入れできますか?

できません — SUS304 はオーステナイト系ステンレスで、焼入れしても組織がマルテンサイトに変態しないため硬化しません。硬化は冷間加工によるもののみです。焼入れ可能なステンレスが必要なら、SUS420J2 などのマルテンサイト系(約 48〜55 HRC)をご使用ください。

S10C〜S20C などの低炭素鋼はなぜ直接焼入れできないのですか?

炭素量が約 0.3% 未満では生成するマルテンサイトが少なすぎて硬さがほとんど上がりません。標準的な方法は浸炭 — 焼入れ前に表面へ炭素を拡散させ、靭性のある芯部の上に 55〜62 HRC の硬化層を得ます。タッピンねじや耐摩耗部品に最適です。

熱処理を発注するとき、何を指定すべきですか?

最低限:鋼種、目標硬さの範囲(例 38〜44 HRC)、測定位置(表面か芯部か)、浸炭品の場合は硬化層深さ、数量または重量。図面や写真があるとより確実です — 当社の見積フォームからお送りください。

実際の硬さは表とどのくらい違い得ますか?

断面寸法・焼入れ剤・焼戻し温度・材料ロットの実成分に依存します。本表は焼きが通りやすい小物部品を想定した範囲です。受注前にお客様と仕様を確認し、納品時には自社ラボの硬さ測定データを全ロットに添付します。

計算ツールでは分からないことを、当社がお答えします

表の上で鋼種がその硬度に達することと、お客様の部品が当社のラインで達することは別の話です。断面寸法、前処理状態、図面の公差帯がいずれも結果を動かします。図面をお送りいただければ、実際に稼働している工程と照合します。見積依頼には24時間以内に回答します。

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