
なぜ鋼種が重要なのか
鋼種が最高硬度・靭性・耐食性を決めます。鋼を誤ると、部品は焼きが入らないかもろくなるので、まず基本を理解しましょう。
鋼の名称中の数字は炭素量を示すことが多く、S45C は約0.45%の炭素です。
炭素鋼
- SWCH / 低炭素 — 一般ねじ向けに冷間成形しやすい。炭素が少ないため表面硬化(浸炭窒化)が必要。
- S45C(中炭素 約0.45% C) — そこそこ全体焼入れ可能。一般のボルトやスタッドに適する。
- 高炭素 — 高い焼入れ性。ばね・ロックワッシャー・耐摩耗部品向け。
合金鋼
- SCM435(クロモリ、34CrMo4) — クロムモリブデン合金で焼入れ性が良く高強度。強度区分10.9/12.9 ボルトの主な素材。
- SCr / SNCM — 高荷重・高疲労の自動車部品向け合金鋼。
ステンレス鋼
- SUS304(A2) — 一般/屋外/食品用途に良い耐食性。ただしオーステナイト系のため熱で硬化しない(冷間加工で硬化)。
- SUS316(A4) — より高い耐食性で塩分に強い。海洋・化学用途向け。
- SUS410/420(マルテンサイト系) — 焼入れ可能だが304より耐食性は劣る。硬さが必要なねじ・ピン向け。
選び方
高荷重+焼入れ→SCM435。低コストの一般作業→表面硬化した炭素鋼+亜鉛めっき。高硬度は不要で耐食性重視→SUS304。硬くてそこそこ耐食性も→マルテンサイト系ステンレス。実際の用途に合わせて当社チームが助言します。
よくある質問
SUS304 は焼入れできますか?+
熱ではできません(オーステナイト系)。冷間成形で加工硬化します。本当の硬さが必要ならマルテンサイト系を選んでください。
強度区分10.9 のボルトはどんな鋼?+
多くは SCM435 合金鋼で、そのグレードの硬さと靭性に焼入れ・焼戻しされています。



