鋼種比較
S45C vs SCM440:焼入れにはどちらを選ぶ?
設計・購買・QC向けに、実用硬さ範囲と断面寸法の制約を比較します。
S45C vs SCM440
要点:SCM440 が常に S45C より「硬い」わけではありません
焼入れ表面硬さは近い値にできます。Cr-Mo を含む SCM440 は焼入性が高く、厚い断面でも硬さを均一にしやすい一方、小物一般部品では S45C が経済的です。
S45C と SCM440 の比較
| 項目 | S45C | SCM440 |
|---|---|---|
| 種類 | 中炭素鋼 | Cr–Mo 合金鋼 |
| 近似鋼種 | AISI 1045 / C45 | AISI 4140 / 42CrMo4 |
| 炭素量 | 0.42–0.48% | 0.38–0.43% |
| 主工程 | 焼入れ・焼戻し | 焼入れ・焼戻し |
| 焼入れ表面 | 約 50–58 HRC | 約 50–58 HRC |
| 実用範囲 | 約 40–55 HRC | 約 28–48 HRC |
| 焼入性 | 中程度 | 高い |
| 用途 | ピン、小径軸、一般ボルト | 高強度ボルト、軸、荷重部品 |
選び方
S45C
小断面、一般荷重、コスト重視なら S45C。
SCM440
厚断面、心部硬さ、繰返し・衝撃荷重なら SCM440。
図面指定前の注意
- HRC範囲は小物部品の目安で保証値ではありません。
- 心部硬さは断面、形状、冷却材、実成分に依存します。
- 硬さ範囲・測定位置・試験方法を指定してください。
- 高強度品の亜鉛めっきは水素脆化を評価します。
熱処理業者へ送る情報
- 1図面と材質証明
- 2重要断面とロット量
- 3硬さ範囲・位置・方法
- 4変形・組織・脱炭限度
- 5後工程と納期
よくある質問
SCM440 は常に S45C より硬いですか?
いいえ。焼入れ後の表面硬さは近い値になります。SCM440 はクロムとモリブデンにより焼入性が高く、厚い断面でも硬さを均一に保ちやすい一方、小物では S45C が経済的なことが多いです。
小径軸や一般ボルトにはどちらを選ぶ?
小さな断面や一般荷重には S45C が材料コストも低く十分なことが多いです。厚い断面、心部の均一な硬さ、繰返し・衝撃荷重には SCM440 を選びます。
熱処理の見積には何が必要ですか?
図面と材質証明、重要断面寸法、硬さ範囲と測定位置・方法、ロット量または重量です。