表面硬化工程比較
浸炭窒化 vs 浸炭:締結部品の表面硬化はどちら?
連続メッシュベルト炉で低炭素鋼の表面に元素を拡散させる二つの方法——温度、硬化層深さ、変形が異なります。
Carbonitriding vs Carburizing
要点:小さく薄い部品の多くは浸炭窒化が適します
浸炭は高温(約 880–950°C)で炭素のみを拡散させ、より深い硬化層(約 0.3–1.5 mm 以上)が得られ、深い層が必要な荷重部品に向きます。浸炭窒化は低温(約 780–870°C)で炭素と窒素を同時に拡散させ、硬化層は浅め(約 0.1–0.75 mm)。窒素が焼入性を高めるため薄物を穏やかな焼入れで硬化でき、変形が小さく耐摩耗も良好——メッシュベルト炉のねじ・ナット・小物に最適です。
浸炭窒化と浸炭の比較
| 項目 | 浸炭窒化 | 浸炭 |
|---|---|---|
| 拡散元素 | 炭素+窒素 | 炭素のみ |
| 温度の目安 | 約 780–870°C(低め) | 約 880–950°C |
| 硬化層深さの目安 | 約 0.1–0.75 mm(浅め) | 約 0.3–1.5 mm 以上 |
| 表面硬さ | 約 58–64 HRC | 約 58–62 HRC |
| 変形 | 小さい(低温・穏やかな焼入れ可) | やや大きい(高温) |
| 窒素の効果 | 硬化層の焼入性向上+耐摩耗/耐食性 | 窒素なし |
| 適する用途 | ねじ・ナット・薄い小物、浅い層、低変形 | 深い層が必要な荷重部品 |
| 注意点 | 窒素過多で残留オーステナイト | 層深さと炭素ポテンシャルの管理 |
選び方
Carbonitriding
耐摩耗の表面と変形抑制が必要で層が深くなくてよいねじ・ナット・薄い小物は浸炭窒化。連続メッシュベルト炉の大量小物に最適です。
Carburizing
接触・摩耗が大きく深い硬化層が必要なら浸炭。高い温度とやや大きい変形を許容します。
図面指定前の注意
- どちらも低炭素鋼(例:SWCH10A–22A)向け——高炭素鋼は表面浸炭不要。
- 小薄物の層は数十〜数百 µm。焼入れ後の研削で消えることがあります。
- HRC/層深さはメッシュベルト小物の目安で保証値ではありません。硬さトラバースで確認を。
- 後で亜鉛めっきする部品は水素脆化を評価し区分に応じてベーキングします。
発注時に送る情報
- 1部品種類、材質、ミルシート
- 2必要な表面硬さと層深さ(有効硬化層を何 HV で)
- 3変形限度と測定位置
- 4参照規格(例:ISO 2702 熱処理ねじ)
- 5ロット量と後工程の表面処理
よくある質問
小さなねじ・ナットにはどちらが向きますか?
浸炭窒化は小さく薄い部品に適するのが一般的です。温度が低く変形が小さく、硬化層も浅いため、メッシュベルト炉の大量のねじ・ナットに向きます。浸炭はより大きな荷重の部品向けに深い層が得られます。
浸炭窒化はなぜ変形が小さいのですか?
温度が低く(約 780–870°C 対 880–950°C)、添加した窒素が硬化層の焼入性を高めるため、薄物を穏やかな焼入れで硬化でき、変形が小さくなります。