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表面処理比較

亜鉛めっき vs 亜鉛ニッケル:いつ上位仕様に見合うか

当社は三価クロメート亜鉛めっきを内製しており、亜鉛ニッケル浴は持っていません。仕様が本当に Zn-Ni を求める場面と、通常の亜鉛で足りる場面を整理します。

Zinc plating vs Zinc-nickel

要点:亜鉛ニッケルは耐食性と耐熱性を買い、亜鉛は単価を買う

亜鉛ニッケルはニッケルを約 12–16 % 含む合金皮膜です。同じ膜厚では純亜鉛より保護に優れ、継続的な加熱を受けた後も保護が続き、アルミとの電位差が小さいため、自動車の仕様で指定されます。三価クロメート亜鉛めっきは色の選択肢が広く量産管理が容易で単価が明確に低く、一般締結部品の標準であり続けます。どちらも電解のため、高強度部品はいずれもベーキングが必要です。当社は亜鉛のみで、亜鉛ニッケルのラインはありません。

亜鉛めっきと亜鉛ニッケルの比較

判断項目三価亜鉛めっき(当社ライン)亜鉛ニッケル(当社では不可)
皮膜の種類純亜鉛皮膜+三価クロメートニッケル約 12–16 % の亜鉛ニッケル合金皮膜、化成処理後にシーラーやトップコートを併用
よく引用される規格ISO 4042、ISO 2081、ASTM B633ISO 4042 の合金記号、ASTM B841、締結部品向け ASTM F1941、DIN 50979、ISO 19598
膜厚の目安約 5–12 µm同じく約 5–12 µm。ただし同膜厚での保護性は高い
塩水噴霧の一般的傾向白錆発生まで数十時間から二百時間程度。化成処理とシーラー次第薬品メーカーのシステムデータでは赤錆まで数百時間から千時間程度が一般的
加熱を受けた後継続的な熱で化成皮膜が比較的早く劣化エンジンルーム相当の熱の後も耐食性を保ちやすい
アルミ部品と接触する場合電位差が大きく接合部の異種金属腐食が進みやすい電位差が小さく、アルミへの組付けで選ばれる
水素脆化リスクあり。高強度部品はベーキング必須(当社内で実施)同様にあり、しばしばより高い。浴の電流効率が低いため。ベーキングは同じく必須
締付時の摩擦他方式と異なる。トルク管理があれば摩擦調整剤を指定さらに異なり、摩擦調整トップコートと併せて指定されることが多い
コストと工程管理低く、量産管理も容易明確に高い。皮膜中のニッケル比率管理とニッケル含有排水の処理が必要
適する部品一般締結部品、屋内・半屋外・塗装下地高い耐食要求のある自動車仕様、エンジンルーム部品、アルミへの組付け
実施できる工場当社内製、ベーキング炉も社内当社に Zn-Ni 浴は無く、当該ラインを持つめっき工場へ

選び方

Zinc plating

屋内・半屋外・塗装下地で使う一般締結部品で、色の選択肢が必要で、量産の単価が成立する必要があるなら三価亜鉛めっき。高硬度部品のベーキングも同じ工場で続けます。

Zinc-nickel

顧客仕様が合金皮膜を明示している、高い耐食要求と継続的な熱を同時に受ける、あるいは鋼製締結部品がアルミに直接組み付くなら亜鉛ニッケル。Zn-Ni 浴を持つめっき工場の仕事です。

図面指定前の注意

  • 当社に亜鉛ニッケルのラインは無く、Zn-Ni 指定に対して図面責任者の書面承認なく通常の亜鉛めっきで代替することはありません。
  • 塩水噴霧時間は試験室の結果であり寿命予測ではありません。Zn-Ni 系の数値は薬品メーカーのシステムデータであり、当社が保証する値ではありません。
  • どちらも電解のため、強度区分およそ 10.9 以上ではいずれもベーキングが必要です。亜鉛ニッケルは例外ではありません。
  • 亜鉛と亜鉛ニッケルを切り替えると締付トルクが変わります。組立側と再確認し、摩擦調整トップコートの指定を検討してください。
  • 名称より図面の記号が重要です。皮膜記号は金属、膜厚、化成処理の種類、シーラーまで一度に規定することがあるため、記号を丸ごとお送りください。
  • 当社が保有する品質システムは ISO 9001:2015 のみです。自動車メーカー固有の要求や供給者承認はその業界が課す条件であり、購買側が仕様責任者に確認する必要があります。

確認のために送る情報

  1. 1図面に書かれた皮膜記号の全文と、参照している規格
  2. 2部品種類、ねじサイズ、材質、強度区分または硬さ
  3. 3使用条件(受ける温度、アルミとの接触、海岸近接)
  4. 4仕様が求める耐食時間と、部品に添える報告書
  5. 5ロット数量または重量と試作用サンプル

よくある質問

亜鉛ニッケルめっきは対応できますか?

できません。当社に亜鉛ニッケル浴はありません。Zn-Ni 指定の仕事は当該ラインを持つめっき工場へお出しください。当社は量産小物向けに三価クロメート亜鉛めっきとベーキングを提供します。

通常の亜鉛めっきで亜鉛ニッケルの代替になりますか?

工場判断では代替できません。皮膜も図面記号も保護レベルも異なります。代替には図面責任者の書面承認が必要です。

なぜ自動車分野は Zn-Ni をよく求めるのですか?

継続的な熱の後も保護が続き、鋼製締結部品とアルミの接触部での異種金属腐食を抑えられるためです。これは同業界が自らの仕様に書き込む要求であり、購買側は仕様責任者に確認してください。

亜鉛ニッケルなら水素脆化の心配は無いのですか?

ありません、とは言えません。電解である点は同じで、浴の電流効率は通常より低くなります。高強度部品には亜鉛めっきと同じベーキングが必要です。

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